両国の大会前の予選
イタリアはグループCに入り、8勝2分の勝点26で悠々と予選を突破して本大会に出場してきた。一方、ディフェンディングチャンピオンにしてワールドカップチャンピオンのスペインも、グループIを8戦全勝の勝点24のパーフェクトな成績で、予選を突破して本大会に出場してきた。
そして本大会組み合わせの結果、両国はグループCに組み込まれ初戦で対戦することが決まった。
試合
試合は当然の如く、スペインがボールをキープしてイタリア陣内で進んでいく。ただ最後の詰めの段階のところでイタリアディフェンスが踏ん張り、決定的なチャンスには至らないまま時間が過ぎていった。むしろ得点チャンスという意味ではイタリアの方が多かった。特にカッサーノは体のきれが良く、自身の2本のシュートに加え、前半終了間際の右サイドから上げたセンタリングは、モッタにドンピシャリで合っていた。
一方、スペインはポゼッション率はいつも通り高いが、得点チャンスはイニエスタの2本のシュートがあったぐらいで、決定的なチャンスは皆無だった。結局前半は0-0で折り返しを迎えた。
後半立ち上がり数分はイタリアがパスを繋いで攻め込んでいたが、徐々にスペインがポゼッションを取り戻してイニエスタ、セスクがシュートを打っていった。しかし、先制したのはイタリアの方だった。チャンスにミスしたバロッテリに代わって入ったディ・ナターレが、ピルロのスルーパスをオフサイドラインぎりぎりで抜け出して受け取り、GKカシージャスの動きをよく見てゴールに流し込んだ。
先制されたスペインだったがその3分後の後半64分、シャビ、イニエスタ、D・シルバとスペインらしいパス回しで、最後はセスクがゴールに押し込んですかさず同点に追いついた。その後もスペインがボールキープする時間帯が続き、セスクに代わって入ったフェルナンド・トーレスが、2回決定機を迎えたがともに外してしまう。イタリアも再びディ・ナターレがチャンスを迎えるが枠を外すなどして、結局、試合は1-1のまま終了し、お互い勝点1ずつを手にして初戦を終えた。
その後の両国
スペインはその後、アイルランド、クロアチアを下して2勝1分でグループリーグを1位で通過した。準々決勝ではこれまで公式戦で1度も勝ったことがないフランスを2-0で破り、準決勝はポルトガルをPK戦の末に競り勝ち、2大会連続で決勝に勝ち上がった。
イタリアはクロアチアと引き分け、アイルランドを下して1勝2分のグループ2位で通過し、準々決勝でイングランドをPK戦で破って準決勝に進出した。準決勝の相手は優勝候補の筆頭ドイツだったが、前評判を覆して2-1で勝ち、決勝にコマを進めた。
そう、決勝のカードは再びスペイン対イタリアとなり、グループリーグ初戦の再戦となった。
出場選手(スペイン)
GK 1 I・カシージャス Ⓒ 2004年、2008年、2012年のEUROに出場。2000年代から2010年代のスペインを代表する史上最高のゴールキーパー。
DF 17 A・アルベロア 2008年、2012年のEUROに出場。
DF 3 G・ピケ 2012年、2016年のEUROに出場。2000年代から2020年代前半のスペインを代表する名ディフェンダー。
DF 15 S・ラモス 2008年、2012年、2016年のEUROに出場。2000年代から2020年代前半のスペインを代表する名ディフェンダー。
DF 18 J・アルバ 2012年、2016年、2020年のEUROに出場。2000年代後半から2020年代前半のスペインを代表する名ディフェンダー。
MF 8 シャビ 2004年、2008年、2012年のEUROに出場。1990年代後半から2010年代前半のスペインを代表する史上最高の選手の一人。現バルセロナ監督。
MF 16 S・ブスケッツ 2012年、2016年、2020年のEUROに出場。2000年代後半から2020年代前半のスペインを代表する史上最高の選手の一人。
MF 14 シャビ・アロンソ 2004年、2008年、2012年のEUROに出場。2000年代から2010年代のスペインを代表する名ピボーテ。
FW 21 D・シルバ ▼64分 2008年、2012年、2016年のEUROに出場。2000年代から2020年代前半のスペインを代表するファンタジスタ。
FW 10 セスク・ファブレガス ▼74分 2008年、2012年、2016年のEUROに出場。2000年代から2010年代のスペインを代表するファンタジスタ。
FW 6 A・イニエスタ 2008年、2012年、2016年のEUROに出場。2000年代から2010年代のスペインを代表する史上最高の選手。後年J・リーグのヴィッセル神戸に選手として在籍。
MF 22 J・ナバス △64分 2012年のEUROに出場。
FW 9 フェルナンド・トーレス △74分 2004年、2008年、2012年のEUROに出場。2000年代から2010年代のスペインを代表するストライカー。後年J・リーグのサガン鳥栖に選手として在籍。
監督 V・デル・ボスケ スペインを代表する史上最高の監督の一人。1980年のEUROに選手として出場。2012年、2016年のEUROに監督として出場し、2012年は優勝に導いている。レアル・マドリードの監督時代は銀河系軍団を率いている。
出場選手(イタリア)
GK 1 G・ブッフォン Ⓒ 2004年、2008年、2012年、2016年のEUROに出場。1990年代後半から2020年代前半のイタリアを代表する史上最高のゴールキーパーの一人。
DF 3 G・キエッリーニ 2008年、2012年、2016年、2020年のEUROに出場。2000年代後半から2020年代前半のイタリアを代表する名ディフェンダー。
DF 16 D・デ・ロッシ 2008年、2012年、2016年のEUROに出場。2000年代から2010年代のイタリアを代表する名ミッドフィルダー。
DF 19 L・ボヌッチ 2012年、2016年、2020年のEUROに出場。2000年代後半から2020年代前半のイタリアを代表する名ディフェンダー。
MF 13 E・ジャッケリーニ 2012年、2016年のEUROに出場。
MF 8 C・マルキージオ 2012年のEUROに出場。2000年代後半から2010年代のイタリアを代表する名ミッドフィルダー。
MF 21 A・ピルロ 2004年、2008年、2012年のEUROに出場。2000年代から2010年代前半のイタリアを代表する史上最高のレジスタ。
MF 5 T・モッタ ▼90分 2012年、2016年のEUROに出場。2000年代から2010年代のイタリアを代表するミッドフィルダー。
MF 2 C・マッジョ 2012年のEUROに出場。
FW 10 A・カッサーノ ▼65分 2004年、2008年、2012年のEUROに出場。2000年代から2010年代のイタリアを代表するファンタジスタ。
FW 9 M・バロテッリ ▼56分 2012年のEUROに出場。2010年代のイタリアを代表するストライカー、と同時に最も才能を浪費した選手の一人。
FW 11 A・ディ・ナターレ △56分 2008年、2012年のEUROに出場。
FW 20 S・ジョヴィンコ △65分 2012年のEUROに出場。
MF 23 A・ノチェリーノ △90分 2012年のEUROに出場。
監督 C・プランデッリ 2012年のEUROに監督として出場。
試合結果
スペイン 1-1 イタリア
得点 A・ディ・ナターレ(イタリア) 61分
セスク・ファブレガス(スペイン) 64分