ここまでの南米予選
2018年ワールドカップロシア大会の出場権をかけて行われている南米予選。出場権は上位4カ国で5位はプレーオフに回る。本命ブラジルとアルゼンチンはともに初戦黒星という波乱含みのスタートとなった。
第10節を終えた時点で1位ブラジルから7位パラグアイまでの勝点差が6点の大混戦の予選になっている。8位のペルーまでが勝点差10点でギリギリ可能性を残しており、ボリヴィアとヴェネズエラは圏外で出場権争いから脱落していった。そしてアルゼンチンは第10節でホームのパラグアイ戦に敗れて6位の獲得圏外におり苦戦を強いらていた。一方のブラジルは第7節から4連勝と調子を上げてきてホームに宿敵アルゼンチンを迎え撃つことになった。
試合
試合は開始からしばらくは中盤での潰しあいが続いていき、両チーム探り合う展開になる。15分を過ぎたあたりから次第にスペースが開いていき、メッシとネイマールがボールを持てるようになり、最初にチャンスを掴んだのはアルゼンチンの方だった。22分に右サイド深くでボールを受け取ったメッシがフリーのビリアに折り返して、ビリアが強烈なシュートを放ったがGKアリソンが好セーブで防ぎ、アルゼンチンは先制のチャンスを逃した。
すると直後の25分、今度はブラジルにチャンスが回ってきた。マルセロからのパスをネイマールがワンタッチでコウチーニョにパスを出し、これをペナルティエリア中央近くまで持ち込んでシュートを撃つとゴール右上に突き刺さり、ブラジルが先制点を挙げた。
その後は膠着状態が続いていきこのまま前半が終了するかと思われた45分、マルセロのスローインからジェズスがキープして、裏を抜け出したネイマールにパスを通し、GKの動きをよく見てシュートを決め、ブラジルが追加点を挙げて前半を終了した。
後半に入りアルゼンチンは開始からアグエロを投入して打開を図ろうとする。しかし、ほとんど効果なく進んでいった後半55分にブラジルが決定機を迎える。ハーフェライン付近でアルゼンチンDFのフネス・モリのミスから、パウリーニョがドリブルで持ち込みGKロメロをかわしてシュートを撃つが、これはゴールライン手前でサバレタがクリアしてピンチを防いだ。
そして3分後の58分、左サイドからマルセロがクロスを上げ、レナト・アウグストが折り返したところをパウリーニョがゴールに押し込み、ブラジルが3点目を挙げてほぼ勝負を決めた。
以降は余裕が出てきたブラジルがゲームをコントロールして進め、アルゼンチンにとってはストレスの溜まる展開になっていった。結局試合はこのまま3-0で終了し、ブラジルが結果・内容ともに完勝して5連勝で首位をキープした。アルゼンチンは連敗で6位のまま、依然出場権圏外の順位となった。
その後の南米予選
ブラジルはその後も連勝を9まで伸ばし4試合を残して出場権を獲得し、南米予選を首位で終えた。2014年の地元開催のワールドカップ準決勝で歴史的惨敗を喫したチームをチッチ監督が立て直して復活させ、2018年のワールドカップロシア大会に挑むことになる。
一方、アルゼンチンはその後も不安定な試合を続けて出場権圏外を彷徨っていたが、最終節のアウェーのエクアドル戦をメッシのハットトリックで切り抜け、何とか3位で南米予選を突破した。しかし、途中で監督がサンパオリに代わるなど、本大会に向けて課題が残る内容であった。
メッシとネイマール
メッシとネイマール、言わずと知れた南米が世界に誇る二大スーパースター。この試合は当然、二人の競演にも注目を集めたが軍配はネイマールにあがった。試合はチーム状態を如実に現した結果になり、チャンスを何度も演出したネイマールとFK2本以外ほとんど見せ場がなかったメッシとなった。ともに悲願のワールドカップ制覇を望む両者だが、この時点ではネイマールの方が視界良好だった。
出場選手(ブラジル)
GK 1 アリソン 2018年、2022年のワルードカップに出場。2010年代から現在にかけてブラジルを代表するゴールキーパー。
DF 4 D・アウベス Ⓒ 2010年、2014年、2022年のワルードカップに出場。2000年代から2010年代のブラジルを代表する名ディフェンダー。現在は・・・
DF 3 ミランダ ▼86分 2018年のワルードカップに出場。
DF 13 マルキーニョス 2018年、2022年のワルードカップに出場。
DF 16 マルセロ 2014年、2018年のワルードカップに出場。2000年代後半から2020年代前半のブラジルを代表する左サイドバック。
MF 5 フェルナンジーニョ 2014年、2018年のワルードカップに出場。
MF 8 レナト・アウグスト 2018年のワルードカップに出場。
MF 15 パウリーニョ 2014年、2018年のワルードカップに出場。
FW 9 G・ジェズス ▼81分 2018年、2022年のワルードカップに出場。
FW 10 ネイマール もはや説明不要のスーパースター。
FW 11 P・コウチーニョ ▼84分 2018年のワルードカップに出場。
FW 21 R・フィルミーノ △81分 2018年のワルードカップに出場。
FW 7 D・コスタ △84分 2018年のワルードカップに出場。
DF 14 T・シウバ △86分 2014年、2018年、2022年のワルードカップに出場。2000年代から現在にかけてブラジルを代表する名ディフェンダー。
監督 A・チッチ ブラジルを代表する名将の一人。2018年、2022年のワルードカップに監督として出場。
出場選手(アルゼンチン)
GK 1 S・ロメロ 2010年、2014年のワルードカップに出場。
DF 4 P・サバレタ 2014年のワルードカップに出場。
DF 13 フネス・モリ
DF 17 N・オタメンディ 2010年、2018年、2022年のワルードカップに出場。
DF 15 E・マス
MF 6 L・ビリア 2014年、2018年のワルードカップに出場。
MF 8 E・ペレス ▼46分 2014年、2018年のワルードカップに出場。
MF 14 J・マスチェラーノ 2006年、2010年、2014年、2018年のワルードカップに出場。2000年代から2010年代のアルゼンチンを代表するボランチ、ディフェンダー。
FW 11 A・ディ・マリア ▼71分 2010年、2014年、2018年、2022年のワルードカップに出場。2000年代後半から現在にかけてアルゼンチンを代表するアタッカー。
FW 9 G・イグアイン 2010年、2014年、2018年のワルードカップに出場。2000年代後半から2010年代のアルゼンチンを代表するストライカー。
FW 10 L・メッシ Ⓒ もはや説明不要の超ド級のスーパースター。
FW 7 S・アグエロ △46分 2010年、2014年、2018年のワルードカップに出場。2000年代後半から2010年代のアルゼンチンを代表するストライカー。
FW 16 A・コレア △71分
監督 E・バウサ 1990年のワルードカップに選手として出場。2018年のワルードカップの出場に向けて指揮を執っていたが、南米予選最中に解任される。
試合結果
ブラジル 3-0 アルゼンチン
得点 F・コウチーニョ(ブラジル) 24分
ネイマール(ブラジル) 45分
パウリーニョ(ブラジル) 59分