両国の大会前の予選
フランスは予選グループDに入り、6勝1敗3分の勝点21で1位通過で本大会に進出してきた。2年前のワールドカップ後に、監督に就任したかつての名リベロ・ブランが、同大会で崩壊したチームを立て直してきた。
一方、イングランドは予選グループGに入り、5勝3分の無敗で勝点18で、こちらも1位通過で進出を決めていた。しかし、予選最終戦のアウェーのモンテネグロ戦で、ルーニーが相手選手に蹴りを入れてしまい、本大会2試合の出場停止を言い渡され、フランス戦は出場が出来なかった。さらに予選の指揮を執っていたカペッロ監督が、2月に辞任してしまい大会前にホジソン監督に代わっていた。
試合
試合は静かな立ち上がりで始まり、しばらくは両チームとも攻めあぐねていた。わずかにミルナーがGKをかわして撃ったシュートと、キャバイエのミドルシュートぐらいで、少々退屈な時間が続いていた。試合が動いたのは30分、イングランドが右サイドで得たFKをジェラードがゴール前にクロスを上げ、レスコットが頭というよりは顔で合わせてゴールに押し込み、イングランドが先制点を挙げた。
これでフランスは目が覚めたのかボールをキープし始めた34分、右サイドからのFKをナスリがクロスを上げ、これをディアラが完璧に頭で合わすが、GKハートの正面で弾かれる。さらにそのこぼれ球をリベリーが拾い、再度ディアラに上げるが今度は枠を外れてゴールはならなかった。流れはフランスのままで迎えた39分、左サイドでボールを回し、最後はナスリがミドルシュートを決めて同点に追いついた。そして、このままフランスペースで前半は1-1で終了した。
後半も引き続きフランペースで始まりゲームを支配していくが、お互いリスクを冒さないため、盛り上がりに欠けるゲームになっていった。結局、大きな大会の初戦にありがちな展開の試合となり、このまま1-1で終了してお互い勝点1ずつを分け合った。
その後の両国
フランスは2戦目のウクライナ戦に勝ち、3戦目のスウェーデン戦は敗れたが2位通過で準々決勝に進出した。準々決勝ではディフェンディングチャンピオンであり、ワールドカップチャンピオンでもあるスペインに敗れてベスト8で敗退した。大会後はブラン監督が辞任して、新監督にはデシャンが就任した。
イングランドはスウェーデンとウクライナを下して1位通過し、準々決勝ではイタリアに延長までスコアレスのまま終了し、PK戦の末に競り負けてベスト8で敗退した。
出場選手(フランス)
GK 1 H・ロリス Ⓒ 2012年、2016年、2020年のEUROに出場。2000年代後半よりフランスを代表するゴールキーパー。
DF 2 M・ドゥビュシー 2012年のEUROに出場。
DF 4 A・ラミ 2012年、2016年のEUROに出場。
DF 5 P・メクセス 2012年のEUROに出場。
DF 3 P・エブラ 2008年、2012年、2016年のEUROに出場。2000年代後半から2010年代のフランスを代表する左サイドバック。
MF 18 A・ディアラ 2012年のEUROに出場。
MF 6 Y・キャバイエ ▼84分 2012年、2016年のEUROに出場。
MF 15 F・マルダ ▼85分 2008年、2012年のEUROに出場。
MF 11 S・ナスリ 2008年、2012年のEUROに出場。
MF 7 F・リベリー 2008年、2012年のEUROに出場。2000年代から2010年代のフランスを代表するワイドアタッカー。
FW 10 K・ベンゼマ 2008年、2012年、2020年のEUROに出場。2000年代後半よりフランスを代表する史上最高のアタッカーの一人。2022年にバロンドール受賞。
MF 20 H・ベン・アルファ △84分 2012年のEUROに出場。
MF 19 M・マルタン △85分 2012年のEUROに出場。
監督 L・ブラン 1980年代後半から2000年代前半のフランスを代表する名リベロ。1992年、1996年、2000年のEUROに選手として出場し、2000年は優勝に貢献。2012年のEUROに監督として出場。
出場選手(イングランド)
GK 1 J・ハート 2012年、2016年のEUROに出場
DF 2 G・ジョンソン 2012年のEUROに出場
DF 6 J・テリー 2004年、2012年のEUROに出場。2000年代から2010年代のイングランドを代表するディフェンダー。
DF 15 J・レスコット 2012年のEUROに出場。
DF 3 A・コール 2004年、2012年のEUROに出場。2000年代から2010年代のイングランドを代表する左サイドバック。
MF 16 J・ミルナー 2012年、2016年のEUROに出場。2000年代よりイングランドを代表するユーティリティープレーヤー。
MF 4 S・ジェラード Ⓒ 2000年、2004年、2012年のEUROに出場。2000年代から2010年代のイングランドを代表するミッドフィルダー。
MF 17 S・パーカー ▼78分 2012年のEUROに出場。
MF 20 A・オクスレイド=チェンバレン ▼77分 2012年のEUROに出場。
FW 11 A・ヤング 2012年のEUROに出場。
FW 22 D・ウェルベック ▼90分 2012年のEUROに出場。
FW 21 J・デフォー △77分 2012年のEUROに出場。
MF 8 J・ヘンダーソン △78分 2012年、2016年、2020年のEUROに出場。
FW 7 T・ウォルコット △90分 2012年のEUROに出場。
監督 R・ホジソン 2012年のEUROに監督として出場。
試合結果
フランス 1-1 イングランド
得点 J・レスコット(イングランド) 30分
S・ナスリ(フランス) 39分