両国の勝ち上がり状況
ブラジルはグループAに入り、2勝1分の首位でグループリーグを突破し、準々決勝のパラグアイ戦をスコアレスのPK戦の末に下して準決勝に進出してきた。4大会ぶりに12年ぶりの優勝を目指すブラジルは、大会前にエース・ネイマールが怪我により離脱してしまい、準々決勝は苦戦したもののベスト4まで勝ち上がってきた。
一方のアルゼンチンは優勝となると26年ぶりとなり、もはやリアルタイムで知っている選手はほとんどいない位に遠ざかっている。直近の2大会では決勝でチリにPK戦の末に敗れて、ともに準優勝に終わっている。
そのアルゼンチンはグループBに入り、1勝1敗1分でグループ2位通過となり、準決勝ではヴェネズエラを2-0で下して準決勝に進出してきた。そして準決勝はブラジル対アルゼンチンの黄金カードとなり、事実上の決勝戦が実現した。
試合
試合は開始早々の1分、中盤のルーズボールをカゼミーロがアルゼンチンペナルティエリア内にヘディングで放り込みフィルミーノがシュートを撃ったがGKアルマーニがセーブしてゴールはならず。しかし、フィルミーノがパスを受けた位置がオフサイドの位置だったにも拘らず、線審の手は上がらずにインプレーだった為、アルゼンチン側は少々不信感を抱く立ち上がりとなった。
しばらくは膠着状態が続いた前半19分、アルゼンチンエリアでルーズボールを拾ったD・アウベスが右サイドに流れたフィルミーノにスルーパスを出し、これをフィルミーノがゴール前に折り返してジェズスがアルゼンチンゴールに押し込みブラジルが先制点を挙げた。
アルゼンチンの最大のチャンスは前半30分、メッシがドリブルで持ち込んだところをカゼミーロがファウルで止めてFKを獲得した。このFKをメッシがブラジルゴール前に上げ、アグエロがヘディングシュートで狙ったがクロスバーに直撃して惜しくもゴールにはならなかった。その後は各個人同士でお互いにエキサイティングしていき、恒例の展開となっていった。そして前半はこのまま1-0のブラジルリードでハーフタイムに入っていった。
後半に入るとアルゼンチンがペースを握って攻めんでいき、後半49分に左サイドからアグエロが持ち込んで折り返し、マルティネスがノートラップボレーを撃ったがGKアリソンにセーブされ、52分にはデ・パウルがミドルシュートを撃ったが枠を外れてしまった。
さらに後半57分、ブラジルペナルティエリア外でマルティネスのミドルシュートがブラジルDFにあたり、跳ね返ったボールをメッシが左足で狙ったがポストにあたって惜しくもゴールはならなかった。66分にはペナルティエリア外右45℃の角度の位置のFKをメッシが直接狙ったが、GKアリソンがキャッチしてなかなかゴールを割ることが出来なかった。
アルゼンチンの猛攻が続いていた後半71分、ブラジルが前掛かりになっていたアルゼンチンの一瞬の隙をついてカウンターを繰り出し、ジェズスが自陣エリアからアルゼンチンゴールエリア前まで持ち込んでフィルミーノにパスを出し、これをフィルミーノがきっちりとアルゼンチンゴールに押し込んでブラジルが貴重な追加点を挙げた。
追い込まれたアルゼンチンはその後も攻め込んでいくが、またしても各選手達がエキサイトしていきファウルで止まる時間が増えていった。そして試合は2-0のまま終了してブラジルが決勝進出を決めた。
その後の両国
宿敵を破って決勝に進出をしたブラジルは、ペルーを3-1で下して4大会ぶり通算9回目の優勝を飾った。なお、自国開催は5回目だが全て優勝で大会を終えていることになった。大会前にエース・ネイマールが故障で離脱してしまい、苦戦も強いられたが順当な結果となった。
26年ぶりの優勝を目指して挑んだアルゼンチンだったが、準決勝で宿敵ブラジルに敗れてしまい、またしてもタイトル獲得とはならなかった。メッシのA代表での無冠は継続してしまい、なかなかタイトル獲得には届かないが、この大会でメジャーデビューした若手が成長して、2年後のコパ・アメリカ大会、3年後のワールドカップ大会の優勝に繋がっていくことになる。
日本
この大会には1999年以来20年ぶりに日本が招待国として参加していた。メンバーは翌年に開催される東京五輪世代中心の若い選手で構成されていた(東京五輪はコロナウイルスの影響で2021年に延期されている)。日本はグループCに入り、2分1敗でグループリーグ敗退となり準々決勝進出は出来なかった。
出場選手(ブラジル)
GK 1 アリソン 2016年、2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。2010年代から現在にかけてブラジルを代表するゴールキーパー。
DF 13 D・アウベス Ⓒ 2007年、2011年、2015年、2016年、2019年のコパ・アメリカに出場。2000年代から2010年代のブラジルを代表する名ディフェンダー。現在は・・・
DF 4 マルキーニョス ▼64分 2015年、2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。
DF 2 T・シウバ 2011年、2015年、2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。2000年代から現在にかけてブラジルを代表する名ディフェンダー。
DF 12 A・サンドロ 2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。
MF 8 アルトゥール 2019年のコパ・アメリカに出場。
MF 5 カゼミーロ 2015年、2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。2010年代から現在にかけてブラジルを代表するミッドフィルダー。
MF 11 コウチーニョ 2015年、2016年、2019年のコパ・アメリカに出場。
FW 9 G・ジェズス ▼80分 2019年のコパ・アメリカに出場。
FW 19 エヴェルトン ▼46分 2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。
FW 20 R・フィルミーノ 2015年、2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。
MF 10 ウィリアン △46分 2015年、2016年、2019年のコパ・アメリカに出場。
DF 3 ミランダ △64分 2015年、2016年、2019年のコパ・アメリカに出場。
MF 15 アラン △80分 2019年のコパ・アメリカに出場。
監督 A・チッチ ブラジルを代表する名将の一人。2019年、2021年のコパ・アメリカに監督として出場し、2019年は優勝に導いている。
出場選手(アルゼンチン)
GK 1 F・アルマーニ 2019年のコパ・アメリカに出場。
DF 2 J・フォイス 2019年のコパ・アメリカに出場。
DF 6 G・ペッツェッラ 2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。
DF 17 N・オタメンディ 2015年、2016年、2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。
DF 3 N・タグリアフィコ ▼85分 2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。
MF 16 R・デ・パウル ▼67分 2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。
MF 5 L・パレデス 2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。
MF 8 M・アクーニャ ▼59分 2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。
FW 10 L・メッシ もはや説明不要の超ド級のスーパースター。
FW 9 S・アグエロ 2011年、2015年、2016年、2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。2000年代後半から2010年代のアルゼンチンを代表するストライカー。
FW 22 L・マルティネス 2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。
MF 11 A・ディ・マリア △59分 2011年、2015年、2016年、2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。2000年代から現在にかけてアルゼンチンを代表するアタッカー。
MF 20 G・ロ・チェルソ △67分 2019年、2021年のコパ・アメリカに出場。
FW 21 P・ディバラ △85分 2019年のコパ・アメリカに出場。
監督 L・スカローニ アルゼンチンを代表する名将の一人。2019年、2021年のコパ・アメリカに監督として出場し、2021年は優勝に導いている。
試合結果
ブラジル 2-0 アルゼンチン
得点 G・ジェズス(ブラジル) 19分
R・フィルミーノ(ブラジル) 71分