両国の勝ち上がり状況
パラグアイで開催されたコパ・アメリカの決勝に勝ち上がってきたのは、優勝候補の本命ディフェンディングチャンピオンのブラジルと古豪ウルグアイの対戦となった。ブラジルはグループBを3戦全勝の1位で通過し、準々決勝で事実上の決勝アルゼンチン戦を2-1で退けて準決勝に進出した。準決勝では中米の強豪メキシコを2-0で下して決勝に進出し、連覇に王手をかけた。
一方のウルグアイは、グループCを際どく3位で通過し、準々決勝で開催国のパラグアイをPK戦で下して準決勝に進出した。準決勝のチリ戦もPK戦で破って決勝に進出してきた。
決勝のカードは2大会前と同じブラジル対ウルグアイとなり、ブラジルは勝てば2大会連続6回目、ウルグアイが勝てば2大会ぶり大会最多を更新する15回目の優勝となる。
試合
試合は開始からブラジルがペースを握り、11分アントニオ・カルロスが自陣エリアからスルーパスをゼ・ロベルトに通し、ゼ・ロベルトがシュートを撃ったがウルグアイDFにあたってゴールにはならなかった。そして前半20分、ブラジルの左サイドからのFKをF・コンセイソンがゴール前に上げ、リヴァウドがバックヘッドでゴールに押し込んでブラジルが先制点を挙げた。
さらに前半26分、左サイドでパス交換してゼ・ロベルトが持ち上がり、ゴール前に折り返したパスをリヴァウドが見事なボールコントロールでウルグアイDFをかわしてゴールに押し込み、ブラジルが追加点を挙げた。
ここまでほとんどブラジルペナルティエリア内に持ち込めなかったウルグアイは、前半終了間際の44分、CKのルーズボールを拾ったデル・カンポがレンボとのワンツーでゴール前に侵入してシュートを撃ったが、惜しくもクロスバーに直撃してゴールにはならなかった。このまま前半はブラジルリードで折り返しを迎えることになった。
後半に入り早々の46分、ウルグアイゴールキックをヘディングで跳ね返したボールがリヴァウドに渡り、リヴァウドがオフサイドラインを抜け出したロナウドにパスを出し、これをロナウドがウルグアイゴールに蹴り込み3点目を挙げた。この3点目でほぼ試合が決した感があり、その後はブラジルが余裕を持って進めていった。
得点にこそならなかったが、リヴァウド、ロナウド、F・コンセイソンが度々シュートを浴びせてウルグアイゴールを脅かし、ウルグアイはマガジャネスのFKとミドルシュートぐらいであった。結局試合は3-0でブラジルが勝利して連覇を達成した。
その後の両国
1997年、1999年のコパ・アメリカを連覇し、1998年のワールドカップは準優勝と南米最強を改めて知らしめたブラジルだったが、その後の2002年日韓ワールドカップ南米予選では、エース・ロナウドの怪我による長期離脱もあり、まさかの大苦戦となってしまう。ルシェンブルゴ監督も南米予選で解任されるなど、やや低迷することになる。
1994年、1998年のワールドカップ本大会出場を逃して低迷期にあるウルグアイは、2002年の日韓ワールドカップ南米予選でも苦戦を強いられるが、南米予選を何とか5位で終えてプレーオフに回り、大陸間プレーオフでオーストラリアを破って3大会ぶりに本大会に出場することになる。
余談
1999年のコパ・アメリカパラグアイ大会に招待国として、初めてアジア代表の日本が出場することになった。日本はグループAに入って開催国のパラグアイ、ペルー、ボリヴィアと同組になり、1分2敗の最下位で大会を終えた。1998年のワールドカップ、1999年のコパ・アメリカと2年連続でビッグトーナメントに出場したが、ともにグループリーグ最下位で終わり、世界の壁を思い知らされることになった。
そして、この大会を期にトルシエ代表監督は代表メンバーを大幅に入れ代えていき、2002年の自国開催の日韓ワールドカップに臨んでいくことになる。
出場選手(ブラジル)
GK 1 ジーダ 1995年、1999年のコパ・アメリカに出場。
DF 2 カフー Ⓒ 1991年、1993年、1997年、1999年のコパ・アメリカに出場。1990年代から2000年代のブラジルを代表する史上最高の右サイドバック。
DF 15 ジョアン・カルロス 1999年のコパ・アメリカに出場。後にJ・リーグのセレッソ大阪に選手として在籍。
DF 4 アントニオ・カルロス 1993年、1999年のコパ・アメリカに出場。後にJ・リーグの柏レイソルに選手として在籍し、鹿島アントラーズに監督として在籍。
DF 6 ロベルト・カルロス 1993年、1995年、1997年、1999年のコパ・アメリカに出場。1990年代後半から2000年代のブラジルを代表する史上最高の左サイドバック。
MF 18 F・コンセイソン 1997年、1999年のコパ・アメリカに出場。
MF 5 エメルソン 1999年、2001年のコパ・アメリカに出場。
MF 10 リヴァウド 1999年のコパ・アメリカに出場。1990年代から2000年代のブラジルを代表するアタッカー。1999年にバロンドール受賞。
MF 22 ゼ・ロベルト 1997年、1999年のコパ・アメリカに出場。
FW 7 M・アモローゾ 1999年のコパ・アメリカに出場。J・リーグのヴェルディ川崎に選手として在籍。
FW 9 ロナウド 1995年、1997年、1999年のコパ・アメリカに出場。1990年代から2000年代のブラジルを代表する史上最高のストライカーの一人。1997年、2002年にバロンドール受賞。
監督 V・ルシェンブルゴ ブラジルを代表する名将の一人。2002年のワールドカップ南米予選の途中に解任される。
出場選手(ウルグアイ)
GK 1 F・カリーニ 1999年、2007年のコパ・アメリカに出場。
DF 17 M・デル・カンポ 1999年のコパ・アメリカに出場。
DF 3 F・ピクン 1999年のコパ・アメリカに出場。J・リーグの浦和レッズに選手として在籍。
DF 14 A・レンボ 1999年のコパ・アメリカに出場。
DF 22 F・ベルガラ ▼73分 1999年のコパ・アメリカに出場。
MF 7 F・コエーリョ ▼57分 1999年のコパ・アメリカに出場。
MF 5 A・フルーカン 1997年、1999年のコパ・アメリカに出場。
MF 8 L・ベスパ ▼46分 1999年のコパ・アメリカに出場。
MF 20 C・カジェハス 1999年、2001年のコパ・アメリカに出場。
FW 10 F・マガジャネス 1999年のコパ・アメリカに出場。
FW 9 M・サラジェッタ 1999年のコパ・アメリカに出場。
FW 21 A・パチェコ △46分 1999年のコパ・アメリカに出場。
FW 11 G・アルバス △57分 1999年のコパ・アメリカに出場。
MF 6 G・ギグー △73分 1999年のコパ・アメリカに出場。
監督 V・プア 1999年、2001年のコパ・アメリカに監督として出場し、1999年は準優勝に導いている。
試合結果
ブラジル 3-0 ウルグアイ
得点 リヴァウド(ブラジル) 20分
リヴァウド(ブラジル) 26分
ロナウド(ブラジル) 46分