対戦前状況
わずか2カ月前に2006年ワールドカップの決勝を戦った両雄が、2008年のEURO本大会の出場権をかけて同じグループBに入り、再び激突することになった。出場権獲得枠は各グループ上位2位までに与えられるため、常識的にはこの2カ国が本命であり、対抗馬にスコットランドとウクライナが出場権獲得争いに絡んでくるとみられている。
ワールドカップの決勝で敗れたフランスはドメネク監督が引き続き指揮を執り、約10年間フランスの大黒柱としてチームを引っ張てきたスーパースター・ジダンは現役引退したが、準優勝のメンバーを軸にチームを編成してきた。一方、ワールドカップチャンピオンのイタリアは監督がドナドーニに代わったが、チーム編成は優勝メンバーが軸になっていた。
この対戦前にフランスは初戦のジョージア戦をアウェーで勝利し、イタリアはホームでリトアニアに引き分けていた。そしてフランスホームのこの試合は、まだ予選序盤とはいえ、フランスは勝つと連勝スタートになり、イタリアは落とすと出遅れることになる。
試合
試合は開始早々の2分、フランスがCKのこぼれ球を拾ったアンリからマケレレ、ギャラスと繋ぎ、ギャラスのセンタリングをゴブがノートラップボレーでゴールに突き刺しフランスが先制点を挙げた。この時のギャラスの位置はオフサイド気味だったが・・・。イタリアはいきなりの失点に動揺したのか続く17分、マルダが強烈なミドルシュートを放ち、GKブッフォンが弾いたところをアンリが詰めてゴールに押し込み追加点を挙げた。
立て続けに失点をしてしまったイタリアだったが3分後の前半20分、右サイドからのFKをピルロがゴール前に上げ、ジラルディーノが頭で合わせて1点を返した。開始から20分で激しい点の取り合いになり、アグレッシブなゲームになっていった。しかし、その後は得点には至らず前半は2-1でホームのフランスリードで折り返しを迎えることになった。
後半に入って57分、フランスがイタリア陣内でパスを繋いでいき、サニョルがゴール前にクロスを上げ、ゴブが頭で合わせてゴールを割り、フランスが再び点差を広げて試合を有利に進めていった。2点差にしたフランスはその後は無理をせず、カウンターで仕掛けていき65分にゴブ、72分にリベリーがシュートを放つなどフランスペースで時間は経過していった。
イタリアは流れの中ではほとんどチャンスを作れず、77分にピルロのFKからカンナヴァーロがヘディングシュートを撃ったぐらいで、結局このままタイムアップを迎えて3-1でホームのフランスが勝利した。フランスは2連勝で勝点を6点にしてスタートダッシュに成功した。一方、イタリアは1分1敗の勝点1点で出遅れる形になってしまった。
その後の予選状況
以降の予選はフランスが引っ張っていくかと思われたが、スコットランド戦を連敗してしまい、1位通過は逆転でイタリアとなった。2位にはスコットランド戦以外は順調に勝点を積み重ねたフランスとなり、結局両国が順当に本大会の出場権を獲得した。
また、この両国は本大会のグループリーグでも同組になり、さらにオランダとルーマニアでグループCを形成して、EURO2008の最激戦区死の組となった。
出場選手(フランス)
GK 23 G・クーペ 2008年のEUROに出場。
DF 19 W・サニョル 2008年のEUROに出場。
DF 5 W・ギャラス 2008年のEUROに出場。
DF 15 L・テュラム 1996年、2000年、2004年、2008年のEUROに出場。1990年代から2000年代のフランスを代表する名ディフェンダー。
DF 3 E・アビダル 2008年のEUROに出場。
MF 22 F・リベリー ▼88分 2008年、2012年のEUROに出場。2000年代から2010年代のフランスを代表するワイドアタッカー。
MF 4 P・ヴィエラ Ⓒ 2000年、2004年、2008年のEUROに出場。1990年代後半から2000年代のフランスを代表するディフェンシブミッドフィルダー。
MF 6 C・マケレレ 2004年、2008年のEUROに出場。1990年代から2000年代のフランスを代表するディフェンシブミッドフィルダー。
MF 7 F・マルダ 2008年、2012年のEUROに出場。
MF 9 S・ゴブ ▼75分 2008年のEUROに出場。
FW 12 T・アンリ 2000年、2004年、2008年のEUROに出場。1990年代後半から2000年代のフランスを代表する史上最高のストライカーの一人。
FW 11 S・ヴィルトール △75分 2000年、2004年のEUROに出場。
FW 14 L・サハ △88分
監督 R・ドメネク 2008年のEUROに監督として出場。
出場選手(イタリア)
GK 1 G・ブッフォン 2004年、2008年、2012年、2016年のEUROに出場。1990年代後半から2020年代前半のイタリアを代表する史上最高のゴールキーパーの一人。
DF 19 G・ザンブロッタ 2000年、2004年、2008年のEUROに出場。
DF 5 F・カンナヴァーロ Ⓒ 2000年、2004年のEUROに出場。1990年代から2000年代のイタリアを代表する名ディフェンダー。2006年にバロンドール受賞。
DF 6 A・バルザーリ 2008年、2012年、2016年のEUROに出場。2000年代から2010年代のイタリアを代表するディフェンダー。
DF 3 F・グロッソ 2008年のEUROに出場。2000年代から2010年代前半のイタリアを代表する左サイドバック。
MF 7 F・セミオリ ▼54分
MF 21 A・ピルロ 2004年、2008年、2012年のEUROに出場。2000年代から2010年代前半のイタリアを代表する史上最高のレジスタ。
MF 8 G・ガットゥーゾ 2004年、2008年のEUROに出場。2000年代から2010年代前半のイタリアを代表するミッドフィルダー。
MF 20 S・ペロッタ 2004年、2008年のEUROに出場。
FW 10 A・カッサーノ ▼73分 2004年、2008年、2012年のEUROに出場。2000年代から2010年代のイタリアを代表するファンタジスタ。
FW 11 A・ジラルディーノ ▼87分
FW 17 D・ディ・ミケーレ △54分
FW 9 F・インザーギ △73分 2000年のEUROに出場。1990年から2010年代前半のイタリアを代表するストライカー。
MF 4 D・デ・ロッシ △87分 2008年、2012年、2016年のEUROに出場。2000年代から2010年代のイタリアを代表する名ミッドフィルダー。
監督 R・ドナドーニ 1980年代から1990年代のイタリアを代表するミッドフィルダー。2008年のEUROに監督として出場。
試合結果
フランス 3-1 イタリア
得点 S・ゴブ(フランス) 2分
T・アンリ(フランス) 17分
A・ジラルディーノ(イタリア) 20分
S・ゴブ(フランス) 57分