対戦前までの予選グループ状況
両チームはEURO2000本大会グループリーグでも同組で対戦しており、その時はイングランドが1-0で勝利したが、両チームともグループリーグ敗退を喫して低迷ぶりを露呈してしまった。
再起を図って挑む2002年ワールドカップ欧州予選で、またしても同組に組み込まれてしまった。ドイツはEURO終了後にフェラーが就任して立て直し、アウェーのイングランド戦勝利も含めて5勝1分の勝点16を積み上げた。一方、イングラドは初戦のホームでのドイツ戦を落とし、アウェーのフィンランド戦を引き分けたところでキーガン監督が辞任し、イングランドでは史上初となる外国人監督エリクソンが就任した。エリクソン監督就任後は復調して3連勝で勝点10まで積み上げて、アウェードイツ戦の大一番を迎えることになった。
この欧州予選は1位が本大会出場権獲得となり2位はプレーオフに回ることになる。残り試合はこの試合を含めてドイツが2試合、イングランドが3試合で、ドイツは勝てば1位が確定し最低でも引き分けたい状況。イングランドはこの試合に引き分け以下では逆転1位が望めないため必勝が義務づけられている状況であった。
試合
試合は開始早々の6分にホームのドイツが先制する。自陣からパスで繋いだボールをバラックがクロスを上げ、ヌビルが頭で落としたところをヤンカーがゴールに押し込んだ。絶対負けられないイングランドもすぐに反撃、12分にベッカムのFKのこぼれ球をネヴィルが頭でペナルティエリア内に放り込み、バーンビーがオフサイド崩れを抜け出して、頭で落としたところをオーウェンが押し込み、すかさず同点に追いついた。
その後しばらくはホームのドイツが攻勢を仕掛けるも得点は奪えず、このまま前半終了かと思われた矢先のアディショナルタイムに、ジェラードが目の覚めるようなミドルシュートを突き刺してイングランドが逆転して前半を終了した。
後半、同点に追いつくべくドイツはヴェアンスに代えてアサモアを投入する。しかし次に得点したのもイングランドだった。後半立ち上がりの48分、右サイドでボールを奪ったベッカムがゴール前のヘスキーにセンタリングを上げ、頭で落としたところをオーウェンが押し込んで追加点を挙げる。さらに65分、中盤でバラックの持ち上がりをジェラードがカットし、オーウェンにパスしてハットトリックとなる4点目を決める。
それ以降イングランドは試合をコントロールして進め、73分にもカウンターからヘスキーがダメ押しの5点目を決めて勝負あり、試合は1-5の予想外の結果で終了。この結果、イングランドはほぼ絶望視されていた逆転首位突破が、残る2試合を連勝で決めることが出来るようになった。一方、ホームで歴史的大敗を喫したドイツは首位突破に暗雲が立ち込めることになった。
グループ最終結果
イングランドは9月に順当にアルバニアを下して勝点16でドイツに並び、得失点差で首位に立った。残るは10月の最終戦、イングランドはホームでギリシャと、ドイツはホームでフィンランドと対戦。結果は両チームとも引き分けてイングランドが首位通過で日韓ワールドカップ本大会の出場権を獲得。ドイツは2位通過でプレーオフに回ることになった。(プレーオフではウクライナを下して出場権を獲得)。
出場選手(ドイツ)
GK 1 O・カーン Ⓒ 2002年、2006年のワルードカップに出場。1990年代から2000年代のドイツを代表する史上最高のゴールキーパーの一人。
DF 2 C・ヴェアンス ▼46分 1998年のワルードカップに出場。
DF 4 T・リンケ 2002年のワルードカップに出場。
DF 5 J・ノヴォトニー 2006年のワルードカップに出場。
DF 7 M・レーマー 2002年のワルードカップに出場。
MF 3 J・ベーメ
MF 6 D・ハマン 1998年、2002年のワルードカップに出場。
MF 8 M・バラック ▼65分 2002年、2006年のワルードカップに出場。2000年代のドイツを代表するオールラウンドミッドフィルダー。
MF 10 S・ダイスラー
FW 9 C・ヤンカー 2002年のワルードカップに出場。
FW 11 O・ヌビル ▼78分 2002年、2006年のワルードカップに出場。
MF 14 G・アサモア △46分 2002年、2006年のワルードカップに出場。
FW 18 M・クローゼ △65分 2002年、2006年、2010年、2014年のワルードカップに出場し、2006年は得点王。ワールドカップ通算得点16点の記録保持者。2000年代から2010年代前半のドイツを代表するストライカー。
MF 15 S・ケール △78分 2002年、2006年のワルードカップに出場
監督 R・フェラー 1980年代から1990年代前半のドイツを代表するストライカー。1986年、1990年、1994年のワルードカップに出場し、1990年は優勝に貢献。2002年のワルードカップは監督として出場し準優勝。
出場選手(イングランド)
GK 1 D・シーマン 1998年、2002年のワルードカップに出場。1980年代後半から2000年代前半のイングランドを代表するゴールキーパー。
DF 2 G・ネヴィル 1998年、2002年のワルードカップに出場。1990年代から2000年代のイングランドを代表するサイドバック。
DF 3 A・コール 2002年、2006年、2010年のワルードカップに出場。2000年代から2010年代のイングランドを代表する左サイドバック。
DF 5 R・ファーディナンド 2002年、2006年のワルードカップに出場。2000年代から2010年代前半のイングランドを代表する名ディフェンダー。
DF 6 S・キャンベル 1998年、2002年、2006年のワルードカップに出場。
MF 4 S・ジェラード ▼78分 2006年、2010年、2014年のワルードカップに出場。2000年代から2010年代前半のイングランドを代表するオールラウンドミッドフィルダー。
MF 7 D・ベッカム Ⓒ もはや説明不要のスーパースター。
MF 8 P・スコールズ ▼83分 1998年、2002年のワルードカップに出場。1990年代から2010年代前半のイングランドを代表するオールラウンドミッドフィルダー。
MF 11 N・バーンビー ▼64分
FW 9 E・ヘスキー 2002年のワルードカップに出場。
FW 10 M・オーウェン 1998年、2002年、2006年のワルードカップに出場。1990年代後半から2000年代のイングランドを代表するストライカー。2001年にバロンドール受賞。
MF 16 S・マクマナマン △64分 1998年のワルードカップに出場。
MF 15 O・ハーグリーブス △78分 2002年、2006年のワルードカップに出場。
DF 14 J・キャラガー △83分 2006年、2010年のワルードカップに出場。
監督 S・エリクソン イングランド代表監督に史上初の外国人として就任し、2002年と2006年のワルードカップに出場。
試合結果
ドイツ 1-5 イングランド
得点 C・ヤンカー(ドイツ) 6分
M・オーウェン(イングランド) 12分
S・ジェラード(イングランド) 45分+3分
M・オーウェン(イングランド) 48分
M・オーウェン(イングランド) 65分
E・ヘスキー(イングランド) 73分