南米予選概要
前回大会から南米予選のレギュレーションが変更になり、各国ホーム&アウェーの総当たり戦になった。1994年の予選まではグループ制だった為、ブラジルとアルゼンチンは各グループのシードになっていた。したがって今回の対戦が、南米予選では初顔合わせとなった。なお前回ブラジルはディフェンディングチャンピオン枠で出場が確定していたため予選は不参加だった。本大会出場権は上位4位までで5位は大陸間プレーオフに回る。
ここまでの南米予選
第5節までで予想外の苦戦を強いられているブラジルは、2勝1敗2分の勝点8で5位に沈んでおり、今節のホームアルゼンチン戦を落とすと出場権獲得圏外に落ちる可能性もあるため必勝が義務づけられている。一方、アルゼンチンは絶好調で、5戦5勝の勝点15の1位で、パーフェクトな成績で宿敵の地に乗り込んできた。
試合
試合はキックオフから5分で早くも動く。ブラジルのCKからのこぼれ球を拾ったアントニオ・カルロスが逆サイドでフリーになっていたアレックスにセンタリングを上げ、これを頭で押し込みブラジルが先制点を挙げた。その後は今予選絶好調のアルゼンチンがボールをキープして試合を支配していくが、スコアは動かないまま迎えた前半終了間際の45分、アレックスがペナルティエリアの外中央からミドルシュートを打ち、GKボナーノが弾いたところを詰めていたヴァンペッタがゴールに押し込み追加点を挙げる。
このままブラジルリードの2-0で前半を折り返すと思われたアディショナルタイム2分、前半途中で故障のサネッティに代わって入ったアルメイダが、クレスポとのワンツーから左足でゴールに突き刺し1点返して前半を終了した。
後半開始早々の50分、左サイドからのFKをロベルト・カルロスが中へクロスを入れ、逆サイドに流れたボールをロナウジーニョが拾ってキープし、ヴァンペッタにパスを出してこれをゴールに突き刺した。再び2点差にしたブラジルは、その後のアルゼンチンの反撃を凌いで3-1で勝利した。
その後の南米予選
この試合で敗れたアルゼンチンは連勝がストップしたが、この後も順調に勝点を積み重ねて南米予選を1位で突破し、日韓ワールドカップの出場権を獲得した。一方、ブラジルはホームで宿敵を破って波にのると思われたが、この後も調子が上がらず監督が2回代わるなどして、王国らしからぬ3位で何とか出場権を獲得した。
出場選手(ブラジル)
GK 1 ジーダ 2006年のワルードカップに出場。
DF 2 エヴァニウソン
DF 3 アントニオ・カルロス Ⓒ J・リーグ柏レイソルに選手として在籍し、後年鹿島アントラーズの監督としても在籍。
DF 4 ロッキ・ジュニオール 2002年のワールドカップに出場。
DF 6 ロベルト・カルロス 1998年、2002年、2006年のワルードカップに出場。1990年代後半から2000年代のブラジルを代表する史上最高の左サイドバック。
MF 5 エメルソン 1998年、2006年のワルードカップに出場。
MF 8 ヴァンペッタ 2002年のワルードカップに出場。
MF 11 ゼ・ロベルト ▼60分 1998年、2006年のワルードカップに出場。
FW 9 アレックス ▼75分
FW 7 ロナウジーニョ 2002年、2006年のワルードカップに出場。2000年代のブラジルを代表する史上最高の選手の一人。2005年にバロンドール受賞。
FW 10 リヴァウド 1998年、2002年のワルードカップに出場。1990年代から2000年代のブラジルを代表するアタッカー。1999年にバロンドール受賞。
FW 17 マルケス △60分 後にJ・リーグ名古屋グランパスと横浜F・マリノスに選手として在籍。
MF 15 セザール・サンパイオ △75分 1998年のワルードカップに出場。J・リーグの横浜フリューゲルス、柏レイソル、サンフレッチェ広島に選手として在籍。
監督 V・ルシェンブルゴ ブラジルを代表する名将の一人。2002年のワルードカップの出場に向けて指揮を執っていたが、南米予選最中に解任される。
出場選手(アルゼンチン)
GK 1 R・ボナーノ
DF 2 R・アヤラ 1998年、2002年、2006年のワルードカップに出場。1990年代から2000年代のアルゼンチンを代表するセンターバック。
DF 4 R・センシーニ Ⓒ 1990年、1994年、1998年のワルードカップに出場。
DF 6 W・サムエル 2002年、2010年のワルードカップに出場。1990年代後半から2010年代前半のアルゼンチンを代表するディフェンダー。
MF 8 J・サネッティ ▼39分 1998年、2002年のワルードカップに出場。1990年代から2010年代前半のアルゼンチンを代表する左サイドバック。
MF 14 D・シメオネ 1994年、1998年、2002年のワルードカップに出場。1990年代から2000年代前半のアルゼンチンを代表するオールラウンドミッドフィルダー。2011年にアトレティコ・マドリードの監督に就任し、現在に至るまで長期政権を築いている。
MF 11 J・ベロン 1998年、2002年、2010年のワルードカップに出場。1990年代後半から2010年代前半のアルゼンチンを代表するゲームメーカー。
MF 18 K・ゴンザレス ▼71分 2002年のワルードカップに出場。
MF 10 A・オルテガ ▼71分 1994年、1998年、2002年のワルードカップに出場。1990年代から2000年代のアルゼンチンを代表するシャドウストライカー。
FW 9 H・クレスポ 1998年、2002年、2006年のワルードカップに出場。1990年代後半から2000年代のアルゼンチンを代表するストライカー。
FW 7 C・ロペス 1998年、2002年のワルードカップに出場。1990年代から2000年代のアルゼンチンを代表するストライカー。
MF 5 M・アルメイダ △39分 1998年、2002年のワルードカップに出場。1990年代から2000年代のアルゼンチンを代表するディフェンシブミッドフィルダー。
MF 3 J・ソリン △71分 2002年、2006年のワルードカップに出場。
MF 17 G・ロペス △71分 2002年のワルードカップに出場。
監督 M・ビエルサ アルゼンチンを代表する名将。
試合結果
ブラジル 3-1 アルゼンチン
得点 アレックス(ブラジル) 5分
ヴァンペッタ(ブラジル) 45分
M・アルメイダ(アルゼンチン) 45分+2分
ヴァンペッタ(ブラジル) 50分